名古屋で相続・遺言に強い三輪総合法律事務所弁護士:三輪陽介

メールでのご相談の方はこちら

お問い合わせフォーム

無料相続のご相談の方はこちら

052-533-2666|平日:10:00〜18:00 (休日は土日祝日)
メールでのご相談の方はこちら|お問い合わせフォーム
無料相続のご相談の方はこちら|052-533-2666
交通事故に関するご相談はこちら
HOME
PageTop
相続について|みんなの疑問11

寄与分について

寄与分(きよぶん)とは

相続人の中に、被相続人の財産の維持や増加することについて、特別の寄与をした相続人がいる場合、その相続人にその寄与に相当する額の財産を取得させて、相続人間の公平を図る必要があります。

そこで被相続人の生前においてその財産の維持や増加について特別の貢献をした相続人がいる場合には、その「寄与分(きよぶん)」を金銭的に評価し、相続財産から控除したものを相続財産とみなして相続分を算定し、その算定された相続分に「寄与分」を加えた額をその者の相続分とすることによって、その者に相続財産のうちから寄与に相当する額の財産を取得させ、共同相続人間の公平を図る必要があります。
これを「寄与分(きよぶん)」の制度といいます(民904条の2)。

寄与分の要件

民法904条の2は寄与分が認められるための要件として、

[ 寄与分の要件 ]

  • ①共同相続人による寄与行為
  • ②寄与行為が特別の寄与によること
  • ③寄与行為と被相続人の財産の維持又は増加との間に因果関係があること

の3要件を挙げています。

従って、単に相続人において寄与行為があっただけでなく、「特別の寄与」にあたること、その寄与行為と、被相続人の財産の維持と増加との間に因果関係がなければ、「寄与分」は認められませんので、注意が必要です。

寄与の態様

また民法904条の2は、寄与の態様として、①被相続人の事業に関する労務の提供(家事従事型)、②被相続人の事業に対する財産の給付、 ③被相続人の療養看護を例示として列挙しています。

被相続人の事業に関する労務の提供(家事従事型)

被相続人の行っていた事業について、無償で労働に従事していた場合で、被相続財産の維持増加に寄与した場合です。
なお、被相続人の営む会社における労務提供が、「被相続人の事業に関する労務の提供」にあたるかが、実務上、よく問題となります。
この場合、相続人は、賃金などの対価を受け取っていることが多く、原則として否定的に考えるべきです。
しかし、会社(法人)とは名ばかりで実質的には被相続人の個人事業に近く、また被相続人と密着した関係にあって、かつ会社への労務提供に関して相続人に対し賃金などの対価が支払われていない場合には、例外的に寄与分が認められる場合があると考えられます。

被相続人の事業に関する財産の給付(金銭出資型)

例えば、被相続人である夫名義で不動産を取得するに際し、相続人が得た収入を売買代金の一部に提供するような場合や、被相続人の借金を代わりに返済するなどして、被相続人の相続財産に維持・増加に寄与した場合などがあげられます。

被相続人の療養看護(療養看護型)

相続人が病気療養中の被相続人の療養看護に従事したことによって、医療費や看護費用の支出を避けることができたことにより、相続財産の維持に寄与する場合があたります。
この療養看護型には大きく分けて「老親の看護」と「病気の看護」の2つに区分されます。
寄与の態様のうち、療養看護型が、よく争いになります。

特別の寄与

上記寄与の態様に該当するだけでなく、その寄与行為が「特別な寄与」に該当する必要があります。
「特別の寄与」とは、被相続人と相続人との身分関係に基づいて、通常期待される貢献の程度を超える貢献をいいます。
すなわち、被相続人と相続人との身分関係に基づいて通常期待できるような態様の貢献は、相続分自体において評価されていると考えられ、また扶余の範囲内といえ、あえて法定相続分を修正する必要がないからです。
従って、親子関係や親族間の扶養義務の範囲内の行為は、通常の寄与であって、こここにいう「特別の寄与」の要件を満たさず、寄与分として認められません。

被相続人の財産の維持増加

寄与分が認められる要件として、「寄与により被相続人の財産の維持・増加の効果が生じること」「その効果が相続時に残存していること」が必要です。
被相続人の財産の維持、つまりそのままであれば財産が減少したところに、自分の寄与行為があってはじめて防止ができたということが必要です。
財産上の効果がないもの(例えば精神的な支えになったに過ぎないなど)は対象外となります。

寄与分の算定方法

寄与分が認められるとして、寄与分額はどのように算定されるかですが、寄与分は共同相続人間の実質的公平を図る趣旨から、 事例毎に個別具体的に決定がなされています。

家事従事型

家事従事型の寄与分は、一般的には
(寄与者が受けるべき年間給与額)×(1-生活費控除割合)×寄与年数
として算定されています。

寄与者が受けるべき年間給与額は、相続開始年の賃金センサスなどにより家業と同種同規模の事業に従事する寄与者と、 同年齢層の年間給与額を基準とすることになります。
寄与相続人が住居生活費などにおいて不安のない生活を送っていた場合、寄与相続人の実質的な生活費が家業の収入から出ていることが多いため、 生活費を控除することになります。

金銭出資型

給付した財産の相続開始時における科学を寄与分算定の基準として計算します。

被相続人の療養看護(療養看護型)

算定方法としては
日当額×療養看護日数×裁量的割合
の計算が基準となります。

日当については、介護保険導入後は、要介護に応じて定められた標準報酬額の負担のみで一定のサービスが受けられるようになっていることから、 介護保険の範囲内でまかなえる行為である限りは、介護保険の標準額を基準とするのが相当であるといえます。
また裁量的割合については、被相続人との身分関係、被相続人の状態、専従性の程度、療養看護に従事するに至った経緯などを考慮して決定されます。

寄与分を定める手続

寄与分を定める手続としては、以下の3つの方法があります。

[ 寄与分の手続 ]

  • ①共同相続人間の協議
  • ②調停
  • ③審判

民法は共同相続人間の協議(①)を原則としつつも(民904条の2第1項)、共同相続人間で協議が成立しない場合には寄与者の請求により調停(②)や審判(③)にて家庭裁判所が寄与分を定めるとしています(同条第2項)。
寄与分は、親族間で争いになることがよくあるため、 調停(②)や審判(③)にて、解決がなされることが多いです。

弁護士から

寄与分を巡る争いでよく問題となるのが、療養看護型です。
但し、後になって立証が困難となる場合が多いことから、普段から日誌などに介護に費やされた時間や介護内容をメモしておくなどして、客観的な資料を残しておくことが大切です。
また要介護認定2がひとつの目安とされることから、早めに介護認定を受けておくことが大切だと考えます。

弁護士 三輪陽介

相続に関するご相談は
私たちにお任せ下さい!

相続問題は、誰にでも、いつか起こりうる問題です。
人と人とのきずなを守ることが私たちの使命です!

もっと詳しく
また、他の相続に関する記事も
ご用意させていただきました。
みんなの疑問!⑨

遺言とは

遺言がない場合、遺産は民法の定める相続分に応じて法定相続人が相続することになります。
様々な遺産が複数ある場合には、相続人間で、分割方法について遺産分割協議をして決定しなければなりません。
他方で、遺言がある場合は、その内容が何より優先されることになります。
生前特に面倒を見てくれた相続人に法定相続分と異なる割合で相続させることができますし、 相続人間の公平を考えながら分割方法を指定しておけば遺産分割をめぐる紛争を事前に予防できますし、 その後の相続手続も円滑に進むと思われます。相続人としては、相続開始後、遺言書がないか、必ず確認をしておく必要があります。
そこでここでは民法の定める遺言についてお話したいと思います。

もっと詳しく

ご相談・ご契約までの流れ

弁護士による相談

ご相談の日時が決まりましたら、必要資料をご用意のうえ、当事務所までご来所ください。経験豊富な弁護士がご相談をお受けします。
ご相談の際には、解決に向けた今後の方針、弁護士費用の目安などについても丁寧にご説明します。ご持参いただく必要資料については、下記のリンクからご確認ください。

委任契約の締結

ご相談の際に提示させていただく解決への方針、弁護士費用の目安などにご納得いただけましたら、後日ご契約をいただきます。
契約書や委任状等の書類を郵送させていただきますので、ご記入・ご返送をお願いします。問題解決までは長い道のりとなりますが、弁護士とともに頑張っていきましょう。